2022年7月ニュースを発行

吉祥寺のまちづくりについて

 2022年6月市議会では、吉祥寺のまちづくりについて質疑しました。

 公共空間としての公園など

 吉祥寺本町4丁目の旧赤星邸の活用について、今年度は有識者会議が設置され検討が進められるとともに、建物の有形文化財登録の手続きが進められます。広く市民に利用されるようになれば、来街者との交流も含め吉祥寺の「名所」となることが期待されます。
 コロナ禍で公園などの公共空間の大切さが再認識されました。井の頭公園はもちろんのこと、吉祥寺西公園などの空間はまちになくてはならない存在です。
 吉祥寺東町2丁目では、メリノール女子修道会から市が取得した土地の公園への整備が進められます。今年度は防火水槽の設置などが予定されています。公園空白地域でしたので貴重な空間として大切にしたいです。

吉祥寺本町4丁目の旧赤星邸入口。約4000㎡を超える敷地に、建築家アントニン・レーモンド設計の赤星鉄馬旧宅が残る。武蔵野市がナミュール・ノートルダム修道女会から建物の寄贈を受け、土地は武蔵野市土地開発公社が取得した。

 介護・介助と地域社会

 コロナ禍における医療・介護事業所、従事者の皆さまのご尽力に感謝申し上げます。感染症拡大の困難な中でも、地域住民とのつながりを深め、これからの地域支え合いにプラスになる新しい取り組みが始まりました。
 在宅介護・地域包括支援センターが地域福祉の会と連携して、近隣の公園で健康ラジオ体操を始めたことなどがその一例です。介護保険や障がい者支援の制度の中だけの事業ではなく、地域と連携した横つながりの活動が広がることは、地域コミュニティを豊かにします。
 吉祥寺が誰にとっても健康で住み続けたいまちへと成長していく上で、まちづくりの中にこの視点を織り込んで行くことが不可欠です。

 子育て支援と地域社会

 子育て支援策をまちづくりの視点で深めることも大切です。
 待機児対策を求める世論が広がった際、保育園の建設に反対する声が地域の一部にありました。その結果閉鎖的なしつらえの保育施設を作らざるを得なかったケースもあります。残念なことでした。
 地域の中に溶け込むような施設と事業の展開について、もう一度みんなで考えてみませんか。
 武蔵野市は待機児ゼロを実現し、持続できています。誰もが安心して子育てできるまちづくりは、子育て支援の諸事業と地域とのつながりが進むことだと考えます。市民理解の深化と事業の進展に期待します。

コミュニティとまちづくり

吉祥寺東町1丁目市有地。寄贈を受けた平井医院跡地に加え、武蔵野市がほぼ同程度の広さの隣地を購入し、合わせて利活用が検討されている。

 新しい試みを大切に

 吉祥寺東町1丁目市有地利活用事業について市は公民連携事業として進めることを選択し、今年度は事業者の選定に向けた審査委員会が設置されることとなっています。これまでの地域の皆さんとの議論を踏まえ、食と相談、多世代交流などを含んだ福祉的施設となる予定で、今年度中には実際の事業の概略が明らかになります。この事業は、地域コミュニティの豊富化に効果のある新しい実践と考えられ、大いに期待されます。
 また、駐輪場売却と新たな用地購入によって動き始めた吉祥寺本町1丁目イーストエリアのまちづくりも、今後の本町コミセンの建て替えなどで新しい仕組みや考え方が求められており、コミュニティの新展開の可能性があります。 

 商業、都市基盤との関連

 これまで吉祥寺のまちづくりは主に、商業の振興と道路・広場の拡張の2つの点から語られてきました。
 商業の振興についてコロナ禍での市の支援策として生まれた「商店会活性出店支援金」は、新たに出店する事業者に商店会への加入を条件に支援金を出すものです。地域コミュニティの一要素としての商店会の活性化に結びつき、好評な事業となっています。大規模商業施設ができてまちが急に変化するといったあり方ではない、自然な変化がこのまちの特徴です。
 商業地のビルの更新やマンションの建て替え、道路や広場の拡張についても、大規模再開発のような手法は吉祥寺には適しません。地権者や住民の理解と協力を得ながら、地道に少しずつ、そして自然にまちが変化してゆくスタイルが、吉祥寺のあり方だと私は考えています。
 不動産の所有権使用権が細分化され複雑になっているからこそ、関係者の相互理解と協力が鍵となってきてきているのです。

 総合的なまちづくりへ

 武蔵野市のコミュニティ構想は、およそ50年ほど前に作られ、コミセン・コミュニティ協議会の活動のベースとなってきました。
 その後、人々の働き方、介護や子育てのあり方が大きく変化し、介護保険や障がい者支援、子育て支援などの仕組みも作られてきました。
 一方で、道路や公共施設などの都市基盤、民間商業施設やマンションなどの住宅は高度成長期に作られたものが全般的に更新期に入っています。
 それらの変化の全体像を視野に入れたまちづくりが今、求められているのです。
 吉祥寺の将来を考える際には常に住民や働く人、事業者の関係性をみて重層的なコミュニティ構築を意識することが必要です。「住み続けたいまち」は、その視点から生み出され、次世代へと引き継がれて行くはずです。