2021年4月ニュースを発行

タブレットと個人情報保護

 この4月から武蔵野市立小中学校の児童生徒に、ひとり1台の「学習者用コンピューター」(タブレット端末)が導入されます。このこと等について、3月市議会で一般質問しました。
 タブレット使用や、学校校務用コンピュータにおける個人情報の取り扱いについてです。

 タブレットの学習ログ

 ひとり1台のタブレット使用に当たっては、その使用履歴(学習ログ)がサーバーに保存されます。
 学習ログの内容は、教育長答弁によれば「ドリル教材の取組状況などの学習履歴、学習レポートなどの成果物、インターネットへのアクセスログ」等があります。つまり、子どもたちひとりひとりの使用状況がつぶさに記録されます。例えば夏休みの宿題を休み明け直前に慌ててこなしたとか・・・、すべて記録に残ります。
 学習ログにアクセスできるのは、「クラウドサービスの提供者と学校、教育委員会」(同答弁)です。サービス提供事業者がアクセスした場合には、使用目的等が報告されることになっています。
 卒業後はアカウントが削除されるので、それに伴って学習ログも利用が停止され、一定期間後に削除される(同答弁)ことになっています。
 外部民間事業者の教材(ドリル等)については、2種類を導入予定。「教材を提供する外部民間業者の学習ログ活用につきましては、活用しないという方向で確認をしてまいります。」(同答弁)とのことでしたので、今後の推移を注視したいと考えます。
 2014年6月に発覚したベネッセの情報漏洩事件では、進研ゼミなどの利用者2900万件の個人情報漏洩が明らかになっています。
 日常の子どもたちの学習に組み込まれたドリル結果などが民間事業者に蓄積されていくことには危惧を持たざるをえません。

 校務用パソコンについて

 教師たちが使用する校務用パソコンのデータの取り扱いについても質しました。このシステムには、子どもたちの成績や出欠状況をはじめ様々な個人情報が蓄積されています。
 「アクセス権限を持つのは学校と教育委員会、システムの運用保守業者」(同答弁)ですので、外部事業者もアクセス可能です。当然、使用履歴、目的は報告されますが、要配慮個人情報が含まれる極めてセンシティブなものですので、厳重な管理が求められます。
 また、卒業後はプリントアウトして紙ベースの保存になり、データは削除されるとのこと。上級学校には要録が紙ベースで郵送されます。

 きちんとした共通理解を

 これらのことについては、武蔵野市の個人情報保護審議会に諮り答申を得ており、保護者宛に配布するマニュアルで説明した上、4月に各校で開催する保護者会において説明することになっています。
 自治体としての個人情報保護の取り組みを前進させるとともに、教育委員会、学校、保護者、そして何よりも子どもたち自身とのきちんとした共通理解が形成されることを強く望みます。

外環道路は事業凍結を

2021年4月4日本宿小学校で開催された陥没事故説明会

 昨年10月に調布市で発生した外かく環状道路工事現場での陥没・空洞事故についての説明会が4月4日、吉祥寺東町の本宿小学校で開催されました。東日本高速道路関東支社(ネクスコ東)、東京外環工事事務所の主催で、沿線各市で開催されたもののひとつです。

 陥没・空洞の原因

 陥没・空洞が発生した原因についてネクスコ東は、当該地域の「特殊な地盤条件」があるとし、「トンネル施工が要因であると推定された」とした上で、「施工に課題があった」と認めるものでした。
 事故が予見できなかったのかの問いには、曖昧な答えに終始しました。
 また、「特殊な地盤条件」が今後の事業予定エリアにもあるのか、との問いに対しては、5箇所で同様な条件が認められ、武蔵野市内では、トンネルがJR中央線付近を通過するあたりに存在すること、今後必要に応じてボーリング調査等を実施するとの説明がありました。

 補償と地盤改良は

 調布市の陥没・空洞地域における建物への損害については、「原状回復(補修)」する。家賃減収や不動産売却損、疾病等による治療費なども補償するとのこと。
 さらに、当該地域では、陥没や空洞に加えて地盤の緩みが発生しており、地盤補修工事を行うこと、その際には補修範囲の住民に「仮移転等をお願いさせていただく」ことも合わせて報告されています。
 つまり、地盤の改良には地上の住宅の撤去が必要なのです。住民にとって重大な問題となっていることがわかります。前例のないこのような事態への具体的な対処・解決は、すべてこれからの課題です。

 いったん立ち止まるべき

 地下50mでのトンネル工事は地上に影響がない、との前提で始められた事業の大前提は崩れました。まずはこの基本(大深度法の是非)を見直さなければなりません。
 陥没・空洞発生の当該地区住民の皆さんの生活や資産に対する補償はどのように行われるのか。住民との合意は可能なのか。解決が裁判に持ち込まれれば、長い時間を要するでしょう。
 今回は掘削予定の2本のトンネルのうち先行する1本の工事で事故が発生しており、そのすぐ横をもう1本掘削することが可能でしょうか。
 これからの事業予定地での地盤再評価も今後の課題であり、事故の再発防止策も明示されてはいません。
 課題山積です。
 トンネルは繋がっていますから、部分ではなく全体で事業の進退を考えるべきであり、現状では事業を凍結するべきと考えます。
 武蔵野市の取り組みも問われています。