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自治基本条例ができました

 市議会3月定例会では、自治基本条例が成立しました。長年にわたる議論の上に、3月議会でも様々な議論が交わされました。

 「リアル自治」

 自治基本条例は、「お飾り」の条例ではありません。その精神が実態として市政に反映されて初めて意味があります。「武蔵野市らしさ」を求めるには、自治の精神が活かされなければなりません。これまでのまちの歴史を振り返り、いくつか特徴をあげておきます。

 まちづくり

 武蔵野市は23区のすぐ西側に隣接し、緑豊かな低層の住宅地が形作られています。これは、与えられた地理的条件に対する意識的な取り組みの結果です。中でも市の宅地開発指導要綱に基づく指導が行われてきた点は重要です。
 過去には、元後藤喜八郎市長(在任1963-79)が要綱に従わないマンション開発に対して水道供給を拒むなどの有名な事件があり、国に先駆けて住環境の保全に取り組んできた歴史があるのです。

 コミュニティ

 コミュニティの形成については、武蔵野市には全市的に構成される町内会が無いという特徴があります。
 第二次世界大戦中に戦争遂行のための末端組織として全国的に作られた町内会は、戦後GHQによって解散させられました。1952年のサンフランシスコ講和条約によってその命令は解除されましたが、武蔵野市では町内会復活が行われませんでした。行政機能の一部を町内会が担うという仕組みは市にはありません。
 その上にコミュニティ構想が作られ、コミセンを起点としたコミュニティ形成が図られてきたのです。
 もちろん現在のコミュニティのあり方については様々な批判もあり、私も改革が必要と考えていますが、大きな流れとしての、自発的なコミュニティ形成という方向性は武蔵野市・市民の特徴であることは間違いありません。

 介護保険制度

 介護保険制度への向き合い方についても特徴的です。2000年からスタートした介護保険制度について、法案審議の前から制度開始後に至るまで元土屋正忠市長(在任1983-2005)が異議を申し立て、全国の自治体に発信を続けていたことは記憶に新しいことです。
 この際の論点は多岐にわたり、私も全面的に賛成とは言えませんが、制度開始後の厚生労働省の政策にも大きな影響を持ったことは間違いありません。
 そして現在武蔵野市は介護保険制度において全国トップクラスの優等生と評価されています。これは、市独自の立ち位置と事業を続けてきたことの結果なのです。
 このように、自治のあり方は実際のまちづくり、政策を大きく左右するのです。「リアル自治」を大切にしたまちづくりを進めましょう。

2020年度予算が成立

 新型コロナウイルス感染症の拡大による公立小中学校の休校や公共施設の休館など慌ただしい動きの中、2020年度予算が3月市議会で成立しました。
 感染症の広がり次第では市民の生活や仕事に大きな影響が及ぶ可能性があります。この点は、新年度は臨機応変の対応が求められます。
 そのことを踏まえた上で、20年度予算についての私なりの評価をお伝えします。

 待機児解消について

 かねてから望まれていた保育所入所待機児解消については、この4月で実現に近づいています。10年余りにわたり大きな課題でしたから、大きな成果です。関係者の皆様のご協力、ご努力に感謝申し上げます。
 当面はこの状態を年々持続することによって、保育が必要なら入所できる状態の定着が大切です。男女ともに働きながら子育てをすることが当たり前の地域社会を、これから迎えることになります。その上でのコミュニティの形成のあり方、社会資源としての種々の保育所や子育て施設の活かし方などが議論となってきます。

 学校の建て替えについて

 全市的な学校施設の建て替えについても、この10年ほど大きな課題となってきました。施設一体型の小中一貫学校への転換については、全市的な議論を経て取りやめとなりました。また、前邑上守正市長時代に中学校給食が実現したことの上に、小学校については給食の自校調理システムの導入が方針化されています。
 これらを踏まえ、学校施設の建て替えの計画が定められ、20年度から具体化されることは非常に重要です。
 高度成長期に作られた社会インフラの再構築が全国的に課題となる中、武蔵野市が次世代によいまちを受け渡していくために、学校施設の再構築は不可欠です。また、このプロセスを通じて各学校区で建て替えを巡る意見交換を積み重ねる作業は、次世代のコミュニティの形成に繋がっていくものと信じています。子どもたちはもちろん、住民、行政の協働が問われます。

 高齢者・介護保険計画策定の年

 20年度は、高齢者福祉計画、第8期介護保険事業計画の策定、第6期障害福祉計画策定の年に当たります。
 すでに旧くぬぎ園跡地における介護老人保健施設整備や障害者グループホーム整備事業などが予算化されていますが、団塊の世代が75歳を迎える2025年が近づく中、武蔵野市の地域包括ケアへの取り組みが真価を問われる時期に入ります。
 要介護高齢者の増加に伴う入所系をはじめとした事業の充実、親亡き後の障がい者の安定した住まいの確保など、ベースとなる分野の着実な前進は不可欠です。
 さらに現在、吉祥寺東町1丁目の旧医院跡地において検討されている新しい地域活動拠点のように、既存のコミセンだけでなく子育てや介護などのあらゆる社会資源をつないだ重層的なコミュニティの形成に向け、より創造的な取り組みが求められます。
 子育てや介護をはじめ各分野において、大きな方向が確立しつつあることを評価し、ともに歩みたいと考えます。