人が集うまちを

 市議会9月定例会では、一般質問、各委員会審査ののち、決算委員会が開かれ2019年度決算が審議・認定されました。決算委員として参加した内容も含め、以下、ご報告します。

 再び商店街について

 一般質問では、商店街のありようと市の関わり等について質疑しました。
 新型コロナ感染症による緊急事態宣言下、商店街の人出の多寡が議論になりました。「もっと減らせ」等の意見もありましたが、実数把握に基づく主張ではありませんでした。あくまで「見た感じ」の印象です。携帯電話の位置情報を利用した分析も、傾向把握にすぎません。
 市や都はこれまで種々の交通量調査を行い自動車や自転車の通行量を調べてきましたが、歩行者の数は対象外だったのです。自動車交通を軸とした道路整備に力点が置かれてきたことの結果と考えられます。
 まちの顔として、人が集う場としての商店街の大切さを考え、「歩いて楽しいまち」という武蔵野市の取り組みの方向を踏まえると、商店街の実態把握には力を入れるべきです。
 感染症対策の市の事業の一つとして、空き店舗への出店支援があります。これまでの創業支援事業などとも結びつけ、有機的な集合体である商店街の持続のための努力は、自治体の役割として欠かせないものと考えます。

 生活・自立支援

 商店街と並んで感染症拡大の影響を受けたのは、パート・アルバイト・派遣などで働く人たちです。
 厚生労働省実施の住居確保給付金(家賃)について、市内では受給者の約6割が20〜30代の若者です。市を管轄するハローワーク三鷹の有効求人倍率も大幅に低下しており、若者の雇用と生活が心配されます。
 市では生活困窮者自立支援の窓口を生活福祉課(市役所2F)に置いて直営してきましたが、一層の対策強化が求められます。住民税非課税層を大くくりの集団として設定し、全ての制度を横断的に再検討し、自立支援のための可能な対策を講じるべきです。音楽や演劇など文化に関わる分野でも活動支援に有効な策を増やすよう求めます。

 コミュニティの分野でも

 コミュニティの拠点であるコミュニティセンターが長期休館になったことは、私は残念に思います。地域と市役所とで協力して、もう少し何とかならなかったでしょうか。
 吉祥寺東町1丁目で現在検討が進められている小規模施設については、多世代交流を念頭に食や相談の機能を含むものを目指していると、決算委員会での答弁がありました。
 介護や子育ても含めて、重層的なコミュニティ形成を進めていく上で、この施設が新しいレイヤーを生み出す端緒となることを期待します。
 災害に強いまちの基本はコミュニティがしっかりしていることです。感染症の経験を踏まえ、総合的な取り組みの前進を求めます。

豊かな地域社会をつくる 

 介護・障害者支援では

 多くの介護従事者・事業所の皆様のご努力によって、介護保険・高齢者支援そして障がい者支援の事業が継続されていることに、心から感謝申し上げます。
 一方で、感染症拡大の影響によってこれまでできていた外出ができなくなったり、通所ができなくなったりした方々のお困りの声を耳にします。地域で健康に暮らし続けることを主眼とする武蔵野市の健康福祉政策に照らして、この半年間を振り返ってみる必要があると考えます。
 その作業が、現在策定中の次期介護保険計画などに活かされることを望みます。

 公園について

 公園のあり方についても発言してきましたが、まちづくりにおける都市空間の役割は増しています。子育て支援でも、介護や障害者支援においても豊かな公共空間は不可欠です。また、商店街とのつながりにおいても公園などの十分な配置が必要です。
 決算委員会で私は、3つの芝生公園を提案しました。武蔵境のプレイス前公園の再芝生化、三鷹駅北口市有地駐輪場の芝生公園化(駐輪場の地下化)そして、吉祥寺では、将来のFFビル(現コピス吉祥寺)更新の際の芝生広場化です。
 市保有の土地を高層化して商業・オフィス床を作るかどうか、これから選択の時期に入ってきます。昨今の在宅ワーク増加の中でのオフィス需要や、各駅圏における商業床の需給バランス、今後の人口減少などをみて、民間との競合を避け、公の役割をどう果たすかが課題です。
 私は、開発一辺倒の思考から脱却し、快適で健康な都市づくりのための空間の役割を十分に考慮したプランが必要と考えます。これは今後しっかり議論をしていくべきテーマです。

 図書館など

 教育の分野では、小中学校児童生徒に1人1台のタブレット端末配備が決まりました。
 ゲーム感覚で勉強が進む(?)ようなアプリも多数あるようです。私は、受験に前のめりになるのではなく言語能力(母語)や思考力を伸ばすためにICT機器を活用してほしいです。
 市の図書館の年間貸し出し約220万冊のうち3分の1が児童書です。子どもたちの読書の習慣が大人になるまで持続すればいいですね。タブレットの導入も、そんな目的のために活用することを提案しています。

 まとめに

 全体として、感染症拡大の中にあっても、自治体の公としての役割とは何かを軸として質疑を積み重ねてきました。
 まず、しっかりとしたセーフティーネットの構築。そして、そのためにも子育て・教育から介護、障がい者支援、まちづくりまで網羅した豊かな地域社会を形づくる核としての役割です。
 自助・共助・公助と言われる中で、自治体の責務はその3つを貫く(包含する)地域社会を作る中心を担うことだと考えます。
 国にも市場にも支配されない豊かな社会関係資本を意識的に積み上げていく作業を共に続けていきましょう。