12月市議会では、介護保険制度・地域包括ケアの充実について一般質問しました。

 武蔵野市、1位!

 2018年度から介護保険における保険者機能強化推進交付金、いわゆるインセンティブ交付金という仕組みが導入されました。これは国が各自治体などの保険者の取り組みを評価し、財政補助によるインセンティブを付けるものです。この評価において武蔵野市は18年度が都内2位、全国14位、19年度の東京都の速報値では都内1位となっています。これまでの市の総合的な取り組みが評価されたものであり、行政はじめ関係団体の皆様に感謝申し上げます。
 介護保険制度を軸とする地域包括ケアの仕組みは、長い時間をかけて地域の中に定着していくものです、一世代30年と考えれば、私たちそれぞれが親世代の介護を経て、この仕組みを体験として理解し自分たちの老後を描いていく作業の受け渡しです。介護保険制度の開始から約20年。この制度の大切さと現状の認識がようやく地域社会の中に定着してきた時期と言えます。
 この時期に、武蔵野市の取り組みが先ほどのように高い評価を得ていることを皆様と共有し、より良い仕組み作りのために協働を広げたいと考えます。

 第8期に向けて

 介護保険制度は3年を1期としており、2019年度は第7期の真ん中の年に当たります。21年度からの第8期に向けて、来年度は計画策定の作業が本格化します。
 武蔵野市においても、全国的な傾向と同じく高齢者人口の増加、特に団塊の世代の高齢化に伴う75歳以上の後期高齢者の増加が大きな課題となります。団塊の世代が75歳以上となる2025年には、市の高齢者人口は約34000人と推計され、要介護の認定者数は約7100人と見込まれています。現在の認定者数がおよそ6500人ですので、1割程度の増加が見込まれます。
 介護を必要とする方が増加するのに対応し、在宅系・入所系ともにサービスの量的な拡大は不可欠です。
 市も「サービス基盤の整備と人材の確保が課題である」としており(市長答弁)、8期の取り組みが注目されます。
 一方で国が第8期に向け市民の負担増やサービス低減を打ち出そうとする動きに対して、これまで同様自治体から意見を提出していくこともとても重要となっています。

 看多機の展開について

 これまで、「在宅か、施設か」と問題提起をしてきました。
 住み慣れた自宅と地域で大切な最後の時期を過ごせることがより良い選択であることは、言うまでもありません。しかし、一人暮らしや共働き世帯の増加によって家族の介護力が低下しているのも現実であり、介護離職などを避ける環境整備も望まれます。病気などで重度化した際の在宅における支援の仕組みを作り上げていくことが大きな課題となっています。
 これまで実施されてきた定期巡回・随時対応型訪問看護介護については、2019年秋から2事業者のうちの一つがサービスを休止したとの答弁があり、利用が低迷しています。
 その一方で看護小規模多機能型居宅介護については、18年末に市内に初めて1事業所が開設され、在宅で医療的な管理が必要な方々が利用されており、施設でのみとりも行なっています。柔軟なサービスで在宅生活を支えるサービスとして評価する旨の答弁があり、これからも増やしていく方針が示されています。
 また、在宅療養生活を支える重要な役割を担う訪問看護については、サービス提供が52(市内所在は17)事業所によって行われており、市内に約800名の方の利用があると答弁がありました。介護と看護との連携も進んでおり、在宅生活支援の仕組みは少しずつ充実されています。 この点における、次期の介護保険計画の内容に注目したいと思います。

 小規模事業者、ヘルパーを大切に

 先ほど触れた看護小規模多機能型事業所をはじめとして、地域の中で熱意をもって在宅生活を支えてくださっている事業所には、小規模な事業所がたくさんあります。
 これからは、大規模な入所施設を基軸として展開される介護サービスから地域に密着した小規模の事業形態が求められてきます。宅地化され、広い土地を求めることが難しい武蔵野市においては特にそうです。その際には、経営基盤は弱いけれども熱意のある担い手による介護サービス事業はとても大切です。
 また、人材不足が叫ばれるヘルパーとりわけ在宅支援のヘルパーの確保は喫緊の課題です。訪問介護の単位時間の切り詰めなどの制度改悪の影響もあり、在宅支援で働くヘルパーは細切れの労働を余儀無くされており、生活していくために十分な報酬を得ることが難しい状況に置かれています。制度の改善が不可欠です。
 2018年末に福祉公社の中に開設された、地域包括ケア人材育成センターでは、就職の支援から研修・相談、事業者支援など、介護人材を育てる役割を担っています。これからセンターの果たす役割はとても大切だと考えます。活動の充実を求めます。
 ヘルパーなど従事者の皆様も、ぜひ一度のぞいてみてください。ホームページも開設されています。

 成年後見制度のあり方

 市では今、成年後見制度の利用促進の計画策定を進めています。
 認知症や一人暮らしの高齢者が増える中で、社会に欠かせない制度であることは言うまでもありません。この運用にあたっては後見人・組織に対する信頼の醸成、そして何より利用する本人の意思の尊重、人権の擁護が大切です。
 福祉公社を基軸とする地域連携ネットワークによって進められようとしているこの事業が、世代をつないでしっかりと確立していくことを願います。
 長い時間をかけて生み出される地域包括ケアへの信頼が市民に定着していくことを通じ、安心して住み続けることのできる地域社会を手に入れていくことができると考えます。そのための努力をさらに続けていきましょう。