2019年1月ニュースを発行しました。チラシ版はこちらから

 現在武蔵野市では、2020年度から2029年度までの10年間を計画期間とする、第6期長期計画の策定が進んでいます。同時に第五次子どもプラン、学校教育計画なども作成中であり、市政にとっては重要な時期となっています。

 すでに行われた軌道修正

 市では数年間にわたり、施設一体型小中一貫校の実施の是非について議論が行なわれてきましたが、2018年11月末に「武蔵野市小中一貫教育あり方懇談会」が結論を出しました。それは、「すべての小学校区単位での施設一体型小中一貫校による小中一貫教育は実施するべきではない」というものです。子どもたちの育つ環境における最善の利益を保障するために、正しい判断と評価します。
 市の財政の見通しについては、第5期長期計画調整計画(現行)では少子高齢化社会の到来によって財政が悪化し、基金が枯渇すると予測されていました。
 現実にはこの間、武蔵野市の基金は増加しており、借金も減っています。また、2018年10月に公表された市の人口推計によれば、向こう30年、高齢者の人口は増加するものの、稼働世代人口の大幅な減少はないと想定されることが分かりました。子どもの人口もほぼ横ばいです(グラフ参照)。稼働世代人口が維持されれば、税収も保たれます。私は、市の基金が将来枯渇することはないと考えており、策定中の第6期長期計画においても、財政見通しは上方修正の予定です。


 武蔵境駅北口の公民連携事業(PPP)については事業開始後も批判が強く、市議会では未だに議論が続いています。この経験から、市の資産を長期にわたって民間企業に委ねることは極めて慎重に対処すべきだと考えており、市の姿勢もそのように変わってきています。
 第6期長期計画に向けては以上のような軌道修正が行なわれつつあります。
 現行計画においては、消極的財政運営でしたが、実態を踏まえ、未来に向けた投資・事業展開を積極的に行っていくことが可能であり、必要であると考えています。 

 社会の現状は

 地域社会の現状を見ると、旧来のセーフティネットの弱体化が指摘されて久しくなります。核家族化が進み、一人暮らし世帯が増加しています。雇用の形態も多様化し非正規雇用が増えるとともに、労働組合や業界団体の力も弱くなりました。もはや戦後の「縦型」社会に守られることは期待できません。
 デフレは続いており、人々の生活は改善しておらず、若者や子どもの貧困も改善されていません。

 これからの自治体の役割

 こうした社会の現状に対応するために自治体に求められるのは、積極的に、前向きに生活課題に取り組み、新しい地域社会とセーフティネットを作り出すことだと考えます。
 介護保険制度ができて20年、関連の事業所や働く人の数は急速に増えてきました。市の介護保険の会計規模は年間約100億円になっています。障がい者支援についても、自立支援法の施行からサービスが拡大してきました。生活困窮者支援事業、そして保育園の整備などの子育て支援事業も充実してきています。
 これらの政策はまさに、地域社会で生活を支える仕組みを作るものです。
 その中で介護の分野で働く人々の支援はとても大切です。介護を受ける人たちだけでなく、その分野で働く人々についても支援しながら、互いに協力して社会を形作っていく必要があります。この理念を形にしたのが、今年12月に開設した「地域包括ケア人材育成センター」です。
 学校のコミュニティ機能の強化や、地域ぐるみで多様な子育て支援を広げるなど、若い世代の活動は次世代のコミュニティの活性化につながります。コミセンやコミュニティ協議会の活動の世代交代にも結びつきます。

 地に足をつけた自治体

 以上のような社会資源の増加を視野に入れ、様々な人々が多様な価値観のもとでお互いを支え合う、重層的なコミュニティを形成することが大切です。
 私は犬を飼っていますので言いにくいのですが、例えると「犬型」の縦社会からより自主性を重んじる「ネコ型」の横つながりの地域社会への転換と考えられます。
 子育てや介護の社会化が進み、地域社会で支え合う方向に進んでいくのは間違いありません。介護をしている人や、障がい児(者)を育てている親など、全ての人々が離職せずに、自身の社会参加を継続できる地域社会こそ理想です。
 このような社会を作るには、社会資源を生かしみんなで支え合うコミュニティ形成が大切であり、そのための自治体の積極的な施策展開が必要なのです。
 武蔵野市が地に足をつけて着実に課題に取り組むよう、市民の皆さまと共に私も尽力していく所存です。
 大切な時期のまちづくりを共に。