2018年7月ニュース・・武蔵野らしいまちづくり
2017年7月ニュースを発行しました。
・武蔵野らしいまちづくり
・働く女性が増えました
PDFはこちらからダウンロードできます・・2018年7月ニュース
武蔵野らしいまちづくり
都市計画マスタープランや吉祥寺グランドデザインなど、まちづくりに関する計画づくりが始まっています。また、第6期長期計画の策定も進められています。
低層、みどり
武蔵野市のまちづくりの基本的な特徴は、低層の住宅地が広がっていること、そして緑が豊かであるということです。
この住宅地は、戦後の高度経済成長の比較的早い時期に完成したものです。多摩地区でこれに似たかたちでつくられた住宅地としては国立・国分寺や日野などがあげられます。
吉祥寺の商業地区は、駅周辺の住宅地が発展したことに伴って形成され、基本的には住まう人々の価値観の反映として現在のような姿になりました。その意味では、八王子や立川などとは発展の経緯が異なっています。
現在武蔵野市では、文化振興の方針を検討していますが、吉祥寺などの文化を考えるときにも、このような発展の経緯を踏まえることが大切です。
戦後の高度成長期に急速に形成された日本社会の「中間層」と言われる階層の人々がいち早く住宅地を形成したのが、この武蔵野市であり、そこに現在の市や吉祥寺の文化、あるいは価値観が形成されているのです。
このことの歴史的にプラスの面をどうやって次世代に引き継いでいけるか。これからのまちづくりはここが鍵ではないでしょうか。
その点では、低層で緑豊かな住宅地の維持が、都心部と異なる市域のベースとなることを意識しておかねばなりません。
総合的エリアマネジメント
吉祥寺圏、三鷹駅北口圏、武蔵境圏ともに、駅前の広場や道路整備などのハード面の整備は、いくつかの課題を残しつつも基本的に完了しています。
これからのまちづくりにおいては、総合的なエリアマネジメントを中心におくべきです。それは、子ども・子育て支援、地域包括ケア、そしてコミュニティなどの視点を十分に取り入れたまちづくりです。
これらの視点からまちのありようを再検討し、市民の意見を受け止めて必要な修正を加えていく不断の取り組みが求められます。新しい店舗など、まちの変化を常に受け止めていくことも大切です。
また、公園や駅周辺の公開空地など人々が集える場所を「ひろば」として活用し、新しいつながりやにぎわいを作っていくことも効果的です。すでにこうした取り組みはいくつも始められており、市民の多様な価値観を感じさせるものとなっています。
持続可能性、多様性、社会的包摂
吉祥寺が「住みたい街」にランキングされるようになっておよそ20年。新しい住民の方も増えています。
持続可能性や多様性、社会的包摂など次世代の価値観をまちづくりに反映させ、次の時代へと武蔵野市を引き継いでいきましょう。
働く女性が増えました
女性の納税義務者が増加
武蔵野市では特にこの5年間、保育所の増設を進め、入所定数を増やしてきました。その結果が、待機児童の大幅減少と共に、働く女性の増加につながっていることがわかりました。
左の表は、市民税の担当部署に依頼して調べてもらった武蔵野市民の給与所得における納税義務者の推移です。控除額以上の所得があり納税義務が生じている女性の数が5年間で約1000人増加していることがわかります。
保育所の入所定数はこの期間で約1200人の増加ですから、給与所得以外の働き方があることなどを考えると、保育所定数の増加が働く女性の増加につながっていることが明らかです。
一方で男性の納税義務者数は約800人減少しています。これは、60〜65歳の働き手のリタイアによる世代交代の影響と考えられます。
いわゆる少子高齢化による働き手の減少を、女性の働き手が増えることによって補い、結果として納税義務者総数の増加につながっている。これが武蔵野市における現状です。
市の税収を支える市民の存在があって初めて、自治体の持続可能性を保つことができます。また、子どもたちが増えることによって次世代へとこのまちを受け継いでいくことができます。
この間の待機児対策は、その点において大切な役割を果たしたと評価できます。
コミュニティの課題として
一方でコミュニティの問題として考えた場合、女性も男性も仕事で忙しく、地域のことに関わる時間がないという課題は大きくなっています。いわゆる「専業主婦」層の減少です。
特に武蔵野市におけるコミュニティ形成においては、意識の進んだ活発な女性陣が果たしてきた役割は大変大きかったと私は考えています。その力がベースとなって、まちのあり方、価値観が作られてきました。
このまちを次の世代にどうやって引き継いでいくか。子育て世代のコミュニティをどのように形成していくか。このことが市政にとって重要な課題です。
地域における多様な主体による子育て支援の活発化、保育所のコミュニティ機能の拡充など、市としてもできるだけのことに取り組んで次世代の武蔵野市を築いていくべきと考えます。