2018年2月ニュースを発行しました。

・これからの吉祥寺

・もうひとつの吉祥寺

PDFはこちらからご覧いただけます・・2018年2月ニュース

これからの吉祥寺

武蔵野市では来年度にかけて吉祥寺グランドデザインの改定作業に取りかかります。「住みたい街No1」の評価を得ている吉祥寺をこれからどのようにつくっていくか。
意識的な取り組みが問われる時期に入ってきました。

 巨大資本に左右されない街

新宿や渋谷など都心のターミナル周辺の商業地と比較した吉祥寺の特徴は、まちづくりにおいて巨大資本の影響が及びにくい点にあります。
特定の大資本による再開発が街のありようを変えてしまう可能性は、吉祥寺にはありません。
また商業地の高度利用の点から見ると、街全体として制度上利用できる高さや容積率を大幅に下回った利用状況にあるのも特徴です。
寺院による土地所有の占める割合が大きいという問題もありますが、借地権が細分化されており、床面積の大きな建物を立てることが難しい条件があります。
店舗が高いビルの中にあるのではなく、路面に展開していること、比較的小さな店舗が多様な業態を営んでいることが「歩いて楽しい街」吉祥寺の魅力です。

 新たな回遊性

かつて吉祥寺の「回遊性」の特徴は、商業地の周囲に百貨店が立地しており、それをキーとして成り立っていると言われていました。現在は百貨店は一店だけです。ではそれに代わる回遊性のポイントは何か?それは、「吉祥寺は周辺が面白い」と言われるように、商業地の周辺部への個性的な店舗の展開です。サンロードなど中心部は地代・家賃の高騰によって資金力のあるチェーン店しか出店できない状況に陥っています。逆に周囲には、一店舗の面積は小さいけれども相対的に低家賃で出店できる条件があり、意欲的で新しい挑戦が可能となっているのです。 またこれは決していいことではありませんが、他のターミナル駅周辺と比較すると家賃が高いため、新規に出店しても2、3年で撤退する店も多く、結果として、来街者には新しいお店を発見できる楽しみがあります。
また、若い世代のライフスタイルや価値観の変化も影響しています。百貨店でブランド品を求めることがステータスだったのは過去の時代。若い世代は、それほど高価でなくてもおしゃれで各々のスタイルに合ったものを選ぶことが多くなりました。百貨店中心の街から周辺部が面白い街へと人々の志向も変化し、新しい回遊性が生まれているのです。

 当事者によるエリアマネジメントの構築を

私はこのように、時代に合わせて自然に変化していくところが吉祥寺の良さではないかと考えています。人為的な巨大開発ではこの良さを作り出し、持続することは困難です。
この点を大切にして不断の変化・発展を得るためには、当事者によるエリアマネジメントが最も大切です。街でテナントとして実際に営業している方たちをはじめ、大家さん、地権者さん、大手商業者さん、そして吉祥寺に住まう市民の参画は欠かせない要素です。
今回のグランドデザイン改定がそのような新しい街のマネジメントのあり方を創出できるか。この点が何より問われていると考えます。

もうひとつの吉祥寺

先日、市内で若者や障がい者の支援を担っておられる方にお話を伺いました。そこには、引きこもりや孤立、生活困難など若い方の相談が多く寄せられています。ご家族からの相談も多いそうです。若い女性が孤立・貧困に陥りホームレス一歩手前のケースもあると教えていただきました。

 若者の貧困と向き合う

私たちは、「もうひとつの吉祥寺」というテーマで、人気のある吉祥寺の街の見えにくい側面、若者の貧困や孤立にも目を向けてきました。ネットカフェやネットルームで生活していると思われる人たちの実情にも迫ろうとしてきましたが、十分には進められていません。
しかし、発達障害やうつ病、引きこもりや失業などで寄せられる相談は増え続けており、若い世代の階層分化が進んでいることを痛感せざるを得ません。
この点についてこれからも取り組んでいくとともに、市の政策の前進も求めたいと思います。

 子どもの最善の利益

教育の分野では、「武蔵野市小中一貫教育検討委員会」(外部委員会)の結論が3月までにまとまる予定です。その後、市として校舎の更新を見据え市の学校教育の基本をどうするのか、大きな決断をする時期になります。
武蔵野市は市域が狭く、学校の敷地面積にも余裕がありません。ここへ小中を詰め込むことになると、教育の環境に大きな影響が出ます。また、校舎の高層化をすれば近隣住民にも影響が及び、学区域の変更を余儀なくされるところもあります。松下玲子市長には子どもの最善の利益を踏まえた判断を求めたいと思います。
かねてより課題となっている保育園の待機児問題については、邑上守正前市長が積極的に取り組み約1400人の定員増を図ってきました。この4月の待機児数がどのようになるのか、注目されます。
引き続き待機児ゼロを目指すとともに、これまで増やしてきた保育所や子ども施設が地域の資源として地域の中に溶け込み、つながっていく取り組みを進めてほしいと思います。

 問われる自治体の役割

「グローバリズム」には二つの側面があります。様々な国や人種、民族が分け隔てなく仲良くつながり、国境などの壁を低くしていこうという面。一方では国際金融資本による弱肉強食のルールの国境を越えた進行。この両側面があることが、理解を難しくし、世論が割れる原因です。
日本においては、雇用の不安定化によって次世代の生活が危うくなっていることが大きな問題です。戦後日本が保っていた様々なセーフティネットが急速に弱くなり、若者がいわば「裸で」社会に投げ出されるような事態が続いています。
これからの自治体の役割として、「子ども」「高齢者」などの分野別ではなく、全ての人を念頭に置いて、セーフティーネットをしっかりと構築していくこと。「おカネがすべて」ではない地域社会を構築すること。このような点が自治体の役割としてとても大切になっています。
ここをしっかりと踏まえて2018年を皆様とともに頑張りたいと思います。
皆様のお力をお貸しください。よろしくお願いします。