「混合介護について」

「二重、三重のコミュニティの構築」

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2017年7月ニュース(PDF)

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混合介護について

混合介護とは

混合介護とは、現在の介護保険に基づくサービスに、自費によるサービスを組み合わせて提供するというものです。
現在でも、自費の介護・生活支援サービスはありますが、介護保険とは別のものとして利用者と事業者の間で契約されています。これを、連続した一つのサービスとして組み合わせて提供するのが混合介護と言われるものです。例えばヘルパーが2時間の在宅介護に入る場合、そのうち1時間は介護保険のサービスとして、後の1時間は自費のサービスとして契約、提供します。
介護保険のサービスは原則利用者1割負担です。自費によるサービスは当然ながら全額自費負担ですので、この部分については高額の利用料となります。混合介護の場合、ケアマネジャーが作成するケアプランの中に自費部分も含んだプランを作成することになると言われています。

介護保険制度を揺るがす

この制度が進むと、当然ながら利用者の自己負担は大幅にアップします。介護保険では利用者の自己選択が原則ですが、判断能力が低下した高齢者の場合、思わぬ高額の請求に驚くということも考えられます。ケアマネや事業者ひいては介護保険制度自体への不信感を広げる危険が大きいものです。
また、自費サービスの拡大によって、保険でカバーすべきサービスが縮小される可能性があります。そうなると、お金がある利用者しか十分なサービスが受けられないということになります。これは、介護保険制度の現状からして予想しうることです。

制度を守る

先日の都議会議員選挙での「都民ファーストの会」「377の政策」の「054」に「利用者目線で柔軟な使い方のできる『選択的介護』を開始(保険外サービスとの同時一体的利用)」とあるのは、この混合介護のことです。小池知事就任後、都内のどこかでテストケースを実施しようとしたのですが、引き受ける自治体がなく、ようやく「地元」豊島区が受けたというもので、厚生労働省も慎重な姿勢と言われています。
もともとは、政府の規制改革会議の提案によって持ち出された「規制緩和」の一環で、事業者の事業拡大の方策として進めようとしているものです。私は6月市議会の一般質問で武蔵野市の姿勢を質しましたが、「極めて慎重に対応したい」との市長答弁でした。
高齢者の方々が、「介護サービスはお金がかかる」と利用を抑制するようになれば、できるだけご自宅で自立した生活を営んでいただくという、介護保険の基本的理念が崩れてしまいます。混合介護の動きを注視し、警戒していきたいと思います。

 

 

 

 

 

二重、三重のコミュニティの構築

2025年問題に間に合わない

武蔵野市では、地域の方々と協力して地域コミュニティの活性化に取り組んでいます。地域フォーラムなども少しずつ開催されており、開かれたコミュニティ、そして世代交代に向けた取り組みも徐々に進んでいます。
しかし、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えると、地域包括ケアを中心とした地域課題の解決においてまだまだ力不足と言わざるを得ません。また、保育園の建設など子育て支援、障がい者と共に暮らす地域づくりという点から見ても課題は大きいのが現状です。
武蔵野市のコミュニティ構想は、コミニティセンターの自主運営を軸として進められてきました。しかし現状と課題を見たとき、今一度地域全体を視野に入れて新たな構想を作る必要に迫られていると考えます。

地域における社会資源の豊富化

地域の課題解決という点で、コミセンの限界が見えてきている一方で、民生分野での公的サービスは確実に広がってきています。
18年目を迎えた介護保険制度では、サービスの拡大とともに事業者も増加・定着し、従事する人たちのスキルは今や大きな地域の財産です。子育て支援の分野ではこの間の待機児対策によって保育園が急増しているとともに、様々な子育て支援サービスも拡充されています。自立支援法施行から12年を経過した障がい者支援の予算は急増し、地域でのサービス拡大が続いています。
これらの事業拡大は、その大部分が地域における「人」への投資であり、それによって地域資源を豊かにしてきたということに他なりません。それらの事業の柱になっている精神はあくまで一人ひとりの基本的人権の尊重であり、どのような人もすべて地域で排除されることなく健康で文化的な生活を送ることができるようにとの願いに基づくものです。憲法の理念と日本社会の現実の間にはまだまだ埋めるべきギャップが大きいですが、地域資源が拡大していることの意味も軽視すべきではないと考えます。
また、防災や環境、緑、食そして平和や人権をめぐる取り組みなど地域における様々な活動も広がり、根付いてきています。

コミュニティ構想の今後

これからのコミュニティを考えるとき、この20年以上の間に広がってきた地域資源をきちんと視野に入れることが必要です。
コミュニティセンターの運営を軸に考えられてきたコミュニティ構想を、地域全体を視野に入れたものに豊富化すること。それらの重層的な全体をきちんと捉えること、そして相互のつながり、連携を進めていくことができれば、全体として時代の要請に応えることのできるコミュニティを目指すことができると考えます。
地域包括ケアの分野では地域ケア会議などの取り組みも進められています。子育て支援や障がい者支援、貧困問題や若者支援の取り組みを含め、それぞれが地域の互いの活動を視野に入れ、つながっていくことも始まっています。
市の次期コミュニティ構想がこの間のあらゆる人々のご努力を活かした重層的なものとなることを求め、期待します。