武蔵境駅 北口市有地で市が進めているPPP(公民連携)の手法を使った施設整備(市政センターが入る二階建ての商業施設)について、12月議会に事業の見直しを求める陳情が審議され、大きな議論になりました。陳情は反対多数(賛成は自民市民クラブのみ)で否決され事業は継続することになりましたが、PPPという事業手法について大きな疑問を投げかける議論になりました。

私は、PPPやPFI(公の施設の建設や管理に民間の資本やノウハウを導入する)の進め方については、今回の武蔵境駅北口の例のように議会の議決が必要のないものがあること、市民の意見を反映するプロセスが十分に設けられないことなど、大きな問題があると考えます。

基本的には、「公民連携」とは行政と民間資本との連携ということであり、行政と市民との連携ということではありません。これは、政府がおよそ20年間にわたって進めてきた規制緩和の一つの柱であり、十分な注意を払って取り扱わなければ、市民や議会の意見が反映されないまちづくりにつながります。

また、政府が公共施設総合管理計画の策定を全国の自治体に指示したことと深く関連しており、公共の財産を民間資本に解放するための道筋が意図的に敷かれていることも見逃せません。

市の今回の事業の問題について市議会の公共施設等総合管理計画策定特別委員会で質疑をしましたので、その議事録を以下に掲載します。

御一読いただけると幸いです。

2016年12月16日・・・・・・・・・公共施設等総合管理計画策定特別委員会議事録(未確定稿)

【山本委員】 (一部省略)

それからもう1つは、先ほどから問題になっているPPPとPFI等々の問題ですが、これについては僕は大事だなと思っていて、もっと早く議論すればよかったなと。総務省が公共施設等総合管理計画をつくりなさいというふうに全国的に自治体に指示を出したということと、それからPPPやPFIの推進ということは、いわばセットで来ているというふうに僕は見ているのです。これは公共施設をきちんと、基本的には統廃合、削減です、それとあわせて公の部門を民間に開放しなさいということです。民間活力というのは非常に聞こえはいいのですけれども、基本的には公の資産の民間開放ということなのです、考え方としては。それをやりなさいというのは、僕はこの間のいわゆる規制緩和の流れの中でのセットで来ているものだというふうに思っていて、そこについてはやはり要注意というか、そのことのもたらすことについて批判的に、イエスとかノーとかという話ではないですよ、物の見方として批判的にきちんと見ながら対処を考えていく必要があるのではないかというふうに思っているのですが、その点の御見解を伺っておきたいと思います。

 

【名古屋総合政策部長】  ただいまの御質問でございますが、公の施設につきましては、もともとPFIにつきましては平成11年度にPFI法という法律ができまして、その後平成15年にさらに指定管理者制度が導入をされております。こういった形で公の施設の管理については、直営それから第3セクターで行う、それから今申し上げましたように民間でもできるようにというような形で、民間活力を利用して効率よく効果的に運営をするという、これは一つ大きな流れがあると思っております。PPPと公共施設等総合管理計画でございますが、PPPというのは指定管理者制度だとかPFIを含んだもう少し幅広いものでございます。その公共施設等総合管理計画というのは、とにかく一定の集中した時期に公共施設ができて、もう既にこれが老朽化して更新の時期を迎えて、これが国及び各自治体の喫緊の課題になっている、そういうときに、PPPという事業手法が効果的・効率的に行う一つの手段であるということに着目して、このような要請も来ておりますし、公共施設等総合管理計画については、もう住民サービスを低下させずに施設の更新をどうやって行うかみんなで考えていくという大きな課題がございますので、国もこの策定については要請をしているところだというふうに理解しております。

 

【山本委員】  要請はいいのですけれども、つまり、このPPPなどの手法について、よかったらこういう方法もありますよということではなくて、ガイドラインをつくりなさい、それから一定規模以上のものについてはこの手法を検討しなさいというふうに来ているのではないですか。

 

【名古屋総合政策部長】  私どもの理解といたしましては、そういった総合管理計画を進める際に、手段として有効であるということで示されているというふうに理解しております。

 

【山本委員】  わかりました。まあそこはちょっと見解が違うのですけれども、僕は基本的にかなり強い指導が入っているというふうに理解をしています。そちらのほうへ明らかに意図的に誘導する手法が入っているのではないかというふうに見ています。後でまた議論をしてもいいです。

それに当たって、今回の境の件なんかでつくづく感じたことは、例えば指定管理については、期間は5年間、小さな施設の指定管理であっても議会の議決が必要であるということになっています。なっていますよね。ところが、今回の境の件なんかでもそうですけれども、今回は規模が小さいですけれども、非常に大きな規模の事業についても、しかも30年あるいは60年のスパンでこれを行っても、議会の議決が要らないというふうになっている、この仕組みというのは問題があるのではないかというのが僕の意見なのです。つまり、どう考えても、議会の議決を要するものとして挙げられているいろいろなものと比べてみて、今回の一種の財産の処分ですよね、30年間まるっきり出してしまうわけですから。そのある意味での財産の処分ということについて議会の議決が要らないというのは、かなり意図的にハードルを下げているようなやり方ではないのかというふうに思っているのですが、その点については御見解はいかがでしょうか。

 

【名古屋総合政策部長】  今委員おっしゃった境の件につきましては、定期借地権方式ということで、定期借地権を設定することによって事業をより効率的に進めようというものでございまして、これはあくまでも普通財産の貸し付けでございます。こういったものは従来どおりの法律の枠組みで、普通財産の貸し付けとか、これはもう議会云々というのではなくて、長の執行権の中でできる範囲でございますので、そのPPPの中には、例えば武蔵野市で行った新クリーンセンターのDBO方式については、しっかり総合評価一般競争入札方式ということで議会の議決もいただいておりますし、そこには丁寧に議会にも御説明を差し上げているところでございますので、先ほど副市長も申し上げましたとおり、PPPというのはかなり幅広くいろいろなものがあって、それは要するに既存の法律の範囲で当然議決するものは規定されておりますし、例えば普通財産のように、ある程度長の執行権の範囲でいろいろな物事が決められるというものはもう従来から決まっている。その従来の決まっているものの組み合わせみたいなもので、その事業をPPPという手法を使って効率的に進めるということで、結果として、例えば境の件につきましては、そのような形で議会の議決云々という話ではなかったわけですが、当然それには、私どもが考えるべきものは、事業の企画段階、それから公募要領だとか評価基準を作成する前に議会にも御報告をして、丁寧に御説明を差し上げて、いろいろな御意見もいただくということが大事なのかなというふうに考えております。

 

【山本委員】  これは地方自治法ですけれども、96条に議決案件というのがあります。これをぜひまた後で読んでいただきたいのですけれども、議決案件って、条例、予算、決算等々ありまして、その中に、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約の締結、財産の交換、出資、不動産の信託、それから貸し付けも、無償貸し付けとか要するに特例の貸し付け等々が入っています。非常に細かく言えば、これに当たる当たらないという議論というのはそれぞれあると思うのですけれども、少なくともこの議決案件の96条を総括的に読んでみたら、絶対に今回のPPPは議決案件ですよ、考え方として。僕はそう思います。これは普通に読んで当てはまるかなというふうに思った場合の感覚として。ただ、厳密に言うとどれにも当てはまらないということになるのかもしれません、それは。僕はこれを見たときに、つまり地方自治法って戦後つくられた、戦後の民主主義の一つの骨格をなすような法律だというふうに思うのです。ある意味、それによってこの70年間地方自治が運営されてきた。その骨格がこの間のいわゆる規制緩和によって部分的には骨抜きになっている。これは僕は意図的な立法の不作為だというふうに自分としては判断をしています。要らないよ、どうぞやってください、議会の議決は要りませんからと。たまたま武蔵野は割合と丁寧に行政報告がされています。それから今回のような問題についても、割合ときちんと対応していただいている。しかし厳密には、いや、これは執行権の範囲内ですよ、議会に報告の必要もありませんよと言われたら、確かに報告の必要もない、市民説明の必要もないわけです。全く何の必要もないわけです。行政が市長の裁量で勝手にこれを進めても問題ないという事業になっているわけです。つまり、制度的な事実上の変更、制度的な緩和が行われているというふうに僕は思っているわけです。そこのところについては議会としても今後しっかりと議論をしたいし、皆さんのほうでもきちんと議論をしていただきたい。必要であれば、一定金額以上の財産のこのような貸し付けについては議決事項にするというふうに条例で決めてもいいのだというふうに僕は思っています。これは条例の事項として決めることは可能なはずです。

その辺の対応についても、今回の経験というのは、ああいう小さい規模のことであったし、商業施設ということでしたのでそれほど大きな問題には、大きな問題にはなったけれども、何というか、本当の意味での市政の根幹に大きな影響があるようなことにまだならないで済んでいる、幸い。この問題だからこそいい勉強になったというか、なっているのだと思うのです。今回の経験をよく僕らとしては学んで、そういう意味ではもうちょっともめてもいいぐらいに思いますけれども、きちんとややこしいことがあって初めて僕は民主主義というのは実現されるのだというふうに思っているのです。ですので、そういうことについて皆さんの中でもきちんと検討していただきたいというふうに思いますが、それはいかがでしょうか。

 

【堀井副市長】  立法論としては非常に傾聴に値する御意見だと思っておりますが、現在の自治法上では、一般的には財産の処分というのは議決ですよ、ただし適正な対価を得る場合には議決がなくてもいいですよ、そういう構成になっております。適正な対価をもらわないで貸し付ける、処分する場合には議決事項だと、あるいはそういう場合の適用除外の条例を持っていなさい、持っていれば議決の事項にはなりませんよ、そういう構成になっているので、我々としては、現行法に従ってこれは議決事項ではないという判断をして御説明をしているところです。ただし我々も、これはやはり大きな事業ですし、そして新しくこういう手法を取り入れたということで、議会に対しては、議決とは別に行政報告なりできちんとやはり重要性について、それを踏まえた上で御説明をしてきたつもりです。ですので、今後もこういうケースについては、やはりきちんと現在の法制度とは別に、武蔵野市としてはこういうことは議会にもきちんと説明をすべき事項だという認識を持って説明を必要に応じてやっていきたいというふうには考えております。

 

【山本委員】  もちろん今回の件で、市の側に現状の法的な仕組みに照らしてみて瑕疵があったというふうには思っていません。ですので、私どもは陳情には反対をしました、します。つまり、今の枠組みでいけばそうだということは前提にして、ただ、この枠組みが意図的につくられたものではないか、そして、本来あるべき姿からは外れているのではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。その辺は、そこでガイドラインの話になるのですけれども、そのガイドラインを検討するときに、1つはその辺のあり方、つまり議会の関与、それから住民の参加ということについてどのようなプロセスが考えられるかということについてきちんと検討していただきたいということが第1点です。それから、どのような施設について突っ込んだ検討が必要かということについても御検討をいただきたい。それは文化施設であるか、あるいは生涯学習・社会教育の施設であるか、スポーツ施設であるか、あるいはコミュニティの施設であるか。もしこれらのものが主要な位置づけを持つ施設の場合は、これは地域の市民の参加というのは不可欠だというふうに思います。プロセスとして、プレイスをつくったときのように検討委員会をつくり、繰り返し住民の意見を聞き、議会でも特別委員会をつくって議論をし、というプロセスがありました。プレイスはそういうふうにしてできています。もし、いわゆる小規模な商業施設ということではなくて、地域にかかわる、まちづくりに本当にかかわるものであった場合に、このPPPの手法でこれまでどおりやっていいのかというのは大変な疑問があります。ですので、施設の性格についてもきちんと議論をしていただきたいということです。その2つはお願いをしておきたいというふうに思いますが、現状で御意見を伺っておきたいと思います。

 

【邑上市長】  私どもはまだPPPの経験はそれほどないわけでございますし、ただ、この手法というのは今後よく検討すべき手法だというふうに思っています。御指摘のとおり、これから活用するに当たっては、対象となる施設が何なのか、あるいは規模がどの程度のもの以上を考えるのか、それを含めて議会の関与のあり方あるいは住民の参加のあり方については、検討を進めてまいりたいというふうに思っています。

 

【山本委員】  ガイドラインの策定は、来年度になるのでしょうか。ガイドラインの策定について今のところ見通しがもしおありでしたら、それはちょっと僕らも頭に入れておきたいと思いますが。

 

【名古屋総合政策部長】  このPPPにつきましては、非常にいろいろ課題も、今回私ども、委員おっしゃるとおり認識をしておりますので、先ほどからも申し上げましたとおり、ガイドラインの作成については検討するということを申し上げておりますし、具体的には来年度もう着手をしたいというふうに考えております。

 

【山本委員】  最後にもう一つだけ。今回のような施設を自治体が直接設計したりプランニングしたりするということができないのかという御意見もありました。まあ、民間に任せたほうがいい知恵が出る、それからお金の面でいい効果が生まれるという御意見もあって当然だというふうに思います。ただ僕は、武蔵野市なら武蔵野市という自治体の職員の皆さんの能力の問題、それから蓄積の問題を考えたとしても、民間の力を、知恵を借りて、それを判こを押すのが役所の仕事だということが一般的になってしまうのは大変心配があります。自分たちで地域のマネジメントをする、そのためには、ここにはこういう施設が必要だよね、こういう性格のものでこういうふうに運営していったらいいよねということを役所ができなくてどうするのだという考えがあります。それは、建物を建てるときの専門家が市役所の中に減っていっているという問題とか、土木や建築の専門家が減っていっているという問題とか、いろいろな現場との関係でいろいろ役所も変わっていっているわけです。ただ、手続を公正化するためだけに存在するのが僕は行政というふうには思っていません。自分たちで地域をつくっていく、そのためには、施設の中身についても自分たちで検討し、いろいろな人の知恵を借りながら、面倒くさいけれども、面倒くさいというのはそれが民主主義だというふうに思うのです。それが僕は地域をつくるということだというふうに思います。面倒くさいけれども、ああでもないこうでもないといろいろな人の意見を聞きながら時間をかけて、職員の皆さんがそれをまとめる、具体的な案を出していくという仕事をやはりやってもらいたいというふうに思っています。そういう意味でも、PPPとかPFIとかいろいろやっているうちに、自分たちはつくることができなくなってしまったということのないように、くれぐれもそこは一緒に地域をつくって創造的に知恵を出していくということについては、この施設をつくっていく上では非常に大事だというふうに思っていますので、そこはお願いをしておきたいと思います。もし何か御答弁があれば。

 

【与座委員長】  これにて質疑を終わります。