ホルムズ海峡

集団的自衛権の行使容認についての閣議決定をめぐり、国会での質疑が行われています。

安倍首相の説明にはどうしても納得がいきません。

ホルムズ海峡を通過する石油は日量1700万バレル。そのうち日本向けはおよそ2割と言われています。残りの8割は世界各国に向かいます。海峡封鎖が行われて困るのは、日本だけではありません。封鎖を実行するとすればイランですが、もしそうなればイランは世界中を相手に喧嘩を売ることになるのです。

米国はすでに第5艦隊をホルムズ海峡に常駐させてます(空母1~2艦を中心に)。その中で本格的海峡封鎖を行うこと自体が至難のわざと言われています。万が一そのような行動に出た場合、米国だけでなく世界中を敵に回すことになるので、イランは容易に制圧されるでしょう。

「石油市場の現状と今後の展望」 (2012年1月19日 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC 石油調査部 野神隆之)の中にも以下のような記述があります。

「イランを巡る情勢(6)
1. 米軍等の介入+イラン国際的孤立:イランの封鎖は短期で終結の可能性→海峡開放、石油輸送再開へ(封鎖時=途絶時のためIEAで石油備蓄(15億バレル)利用の選択肢)→原油価格沈静化へ
2. ホルムズ海峡封鎖終了後のイランのウラン濃縮活動に関する交渉における立場低下→現実的な方策としては、ホルムズ海峡封鎖を匂わせることにより原油相場を維持させつつ、瀬戸際外交を展開か」

イラン単独でホルムズ海峡封鎖に出る場合、それはイランの自滅行為です。仮にその事態の場合でも、いったいどのような時点で日本の出番があるのでしょうか・・・。

米国第5艦隊とイランが実際に戦闘しているところへ乗り込んでいくとは、さすがに首相も言っていません。昨日は「派兵といってもこれは正に受動的、限定的な行為であるのみならず、掃海艇は木やプラスチックでできており攻撃的なものではない」(首相)などと答弁したそうですが、首をかしげてしまいます。

戦闘中の海峡に木やプラスチックでできた小艇で乗り込ませるわけにはいかないでしょうね。米軍からも「危ないからどいていて!」と言われてしまいます。

戦闘が終了したら、イラクはもう国としては存在しえませんから・・・戦闘はないので・・・その後片付けは「集団的自衛権」とは言えないでしょう。日本の存立を危うくする相手がいないのですから。ただ海上の安全確保です。

こんなおかしな事例を「事例研究」として自公でやろうとしたのですが、あまりにおかしくてボロが続出するので立ち消えになったのです。でもこの「事例研究」のテーマはある意味面白いですよ、突っ込みどころ満載です。

皆様もご自分でいくつかおやりになってみては・・・
いかに安倍内閣がいい加減なことを口実にしているか、よくわかります。
私たちにはそんな作業も必要だと思います。

参考までに上記資料の中にある「主要国のイランからの原油輸入」という資料を引用いたします。jogmec

jogmec・・主要国のイランからの原油輸入

ホルムズ海峡封鎖は日本だけが困るので、日本が出て行かなければという印象で語られていますが、この問題は世界平和をめぐる問題なのです。世界の平和と安全をどう守るのかという、日本にも中国にもインドにも共通の問題であることが、この表を見ればよくわかります。私は、安倍首相によって「集団的安全保障」が、きわめて一国的に語られていることに、大きな疑問を持ちます。

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